2015年3月14日土曜日

「分かりにくい」禁止

最近, コミュニケーション力が重視されるようになり, 「何を伝えるか」以上に「どう伝えるか」に 重きが置かれるようになったと感じる. 伝える中味に価値があったとしても, それが相手に伝わらなかったら どうしようもないわけで, 確かに「どう伝えるか」も大事なのだが, そのウエイトが「どう伝えるか」に 偏り過ぎているのではないか? と思う

先日, 大阪都構想に関する新聞記事で, 政治家による説明が「分かりにくい」と書かれていて, そこで 記事が終わっていた. 政治家にとってコミュニケーション力は大事であり, それが不足していること自体に ニュース性があるのかもしれない. だが, 分かりにくい状況を分かりやすく説明する努力をせずに「分かりにくい」と切り捨てて記事を 終わりにしてしまうのは, 報道機関の仕事を放棄しているのではないか? と感じた

仕事の場面でも, 例えば部下が上司にクドクドと説明するような場面で, 上司が部下に対して「お前の 話は分かりにくい」と言うことがあるかもしれない. その指摘によって部下のコミュニケーション力が 向上するなら有効な指摘である. ただ, 部下のコミュニケーション力が上がるまで仕事を止めるわけには いかないので, 上司は, 分かりにくい部下の説明を理解した上で, 仕事を進める必要がある

「分かりにくい」説明に対し, 「分かりにくい」と切り捨て, そこで思考停止に陥ってないか? 政治かも, 報道も, 私も