2015年4月5日日曜日

プロ野球の投手とリスク

また, リスクの話である

多分, 日経新聞のスポーツ欄のコラムなどに書かれていたことだと思うが, 「あの投手は普段は淡々と投げて いるが, ピンチになると『スイッチ』が入る」とか「大投手が球場を沸かすのは, 適当に打たれるからだ」という 話がある. 新人の投手などでは最初から全力で投げて三振を取りにいくような姿勢が見られるが, ベテランは 必ずしもそうではないと, 私自身も思う. これは「相手チームに点を取られても, 自分のチームがそれ以上に 点を取れば勝ちになる」という野球の特徴を考えた上で, ベテラン投手がいかに効率良く勝つか (≒ 1 シーズンの勝ち星を 多くするか) を考えた上での行動なのではないかと思う

投手にとってリスクが少ないやり方は, 自分の controllable な範囲内でアウトを取ること, すなわち 三振を取ったり, 内野ゴロに抑えたりという方法である. ただしこの方法は投手への負担が大きいので, これだけで 1 シーズンを乗り切るのは無理である

そうなると, 多少のリスクはある (投手の uncontrollable な領域が増える) が, ピンチでないときは 投手のみでアウトを取ることを考えずに, 例えば打たせてアウトを取るなどの方法も混ぜていく. こうする ことで, 投手に過度な負担をかけずに, チームとして勝ちを狙えるようになる. ベテラン投手はこの 「リスク」の取り方を学んでいるからこそ, 仮に打たれても負けにならないようにできるのだろう

リスクとは不確実性であるから, リスクを取るということをは不確実性が増すことになる. 不確実性が 増す中で, どの範囲を OK とするか, あるいはどういう場合にリスクを減らす行動を取る (投手の「スイッチ」を 入れる) か, そんなことを考えながら仕事をしていこうと思う

(追伸) プロ野球はショービジネスの側面もあるから, 「単に三振を取るよりも, 打たれてピンチの状態で アウトを取るほうが人気が出る」という考えも混ざっているかもしれない

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